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2008年01月25日

106  最近の管理会社は? その3

フロントマンの話を続けます。

管理会社の管理組合との窓口は一般的には「フロントマン」と呼ばれる人です。最前線の人という意味でしょうが、管理員は別として管理組合が直に接するマンション管理の専門家といってもいいでしょう。

某マンションでの事例です。

ある居住者から隣戸を購入したので、2戸を一体として使いたい、ついては、戸境壁に開口部を設けたいとの要望があり、その居住者から依頼された建築士の「開口部を設けても問題なし」との見解書を添付して、管理組合へ許可申請が出されました。

相談を受けたフロントマンは見解書の内容を信じて、総会議案とするよう理事会に進言しました。

理事会で承認され、総会議案の一つとして全住戸に議案書が配布されました。

議案書を見て疑問に感じた、住民の一人がその建築士に確認したところ、依頼主の要望に応じて、現地を確認しないで販売パンフレットだけだけ見て、そのマンションはラーメン構造なので戸境壁は雑壁と判断し、開口部を設けても構造耐力上問題ないとした見解書を作成したとのことでした。

このマンションの設計図の中の構造図を確認したところその戸境壁は基本的に触る事が出来ない耐震壁として設計されていました。

もちろん、その議案は総会の前に事実を知った理事会の判断で廃案となりました。

フロントマンは自ら判断する能力を持たなかったのです。管理会社として、居住者の要望の中身の信頼性を確認することもなく、専門的知識のない理事会の判断に任せたのです。要望事項が「共用部分の変更」に該当するという認識もなかったのです。

管理会社から建物に関しても技術的能力のある優秀なフロントマンであるとして派遣されているにもかかわらずにです。

もし、議案書を見て疑問に感じた居住者がいなければ、そのマンションのその後が、どうなっていたのかは想像できると思います。

もちろんそのフロントマンは交代しましたが、果たして交代したからといって事態が変わるのかは、はなはだ疑問です。

「住環境の充足と資産価値の向上のために管理組合のニーズに答えています」と標榜している大手の管理会社のフロントマンの話です。


今朝は、窓から見える畑が、うっすらと雪化粧をしています。朝の仕事は、ガラス窓の結露拭きからです。

Posted by haru at 07:48│Comments(0)
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